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AZALEA
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Year: 2024
Medium: acrylic, pastel, linen, wooden panel
Dimensions: 100 x 72.7 cm (39 3/8 x 28 5/8 in.)
Acquired from Ota Fine Arts, 2025
薄桃色から紅色のツツジの花弁が一面に広がっている。黄色、水色、浅葱色、朱色、色とりどりの紙片が花弁と重なり合う。樫木が本作について自身の幼少期の記憶を想いながら描いた情景であると記しているように、日本では園芸種として多くのツツジが普及しており(中には毒を含むものもある)、ときおり子どもたちはその蜜を吸って遊ぶ。作中で横たわっている人物も、手のひらに集めたいくつかの花弁をうっとりと眺めつつ、花の蜜を口に含んでいる。本作では、作品上方から下方へ向かうにしたがって、描写はより細密に、色彩はより濃密になっていく。それによって、高きから低きへと沈み込んでいくような感覚を覚える。人物を取り巻くものの大小・遠近が転倒して描かれていることで、見るほどに絵画の空間は捻れていく。微睡の中で揺れる景色のように。はたして彼/彼女は身を横たえているのか、それとも浮遊しているのか。膝と背を赤子のように丸め安らいだ姿勢で、花の蜜が舌先から彼を甘く包み込んでいくのにただ陶然として身を任せている。紙と花弁が触れ合う音、匂い立つ花の色、蜜の味、ふわりとした花びら、それらが樫木の丁寧な筆致によってありありと描き出されて鑑賞者の五感までも開かせる、あまりにも甘美な絵。
Tomoko Kashiki, Azalea, 2024, Acrylic, pastel, linen, wooden panel, 100 x 72.7 cm
©Tomoko Kashiki, Courtesy of Ota Fine Arts Singapore/ Shanghai/ Tokyo