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slime CLXXXIX
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Year: 2023
Medium: oil on canvas
Dimensions: 162 x 130.3 cm (63 3/4 x 51 1/4 in.)
Acquired from Seibu Shibuya Art Gallery, 2024
「slime CLXXXIX」と題名にあるとおり、本作はシリーズ189番目の制作である。本作は三点の連作であるが、連続写真のように一続きのあるシーンを断続的に切り取った形でそれぞれ描かれている。友沢はスライム状の物質を顔や人形に流しかけた様子を描く作家としてよく知られている。本作でも透明のスライムがどろりと作家自らの顔を覆っていく様子を精緻に描いている。額から眉間あたりにかけて二筋のスライムが上方から落ちてきている。目を閉じ、口を噤んでいる表情から何かしらの感情は汲み取れない。しかし、同じような透明性を示す水やガラスとは異なって、いかにもねっとりとした光沢がなまなましく描かれている。鑑賞者は、鼻梁から眼窩へ、そのまま頬の曲線を首元にむかってゆっくりと流れていくスライムの感触を自らに重ね合わせて想像するはずだ。水のように爽やかに流れ落ちてはくれず、しつこく顔の上に纏わり付く不快感を涼しい面持ちで受け止めているこの絵画の異様さを強く実感するに違いない。身体的な運動によってではなく、ただ静的なまま身体性を意識させる。私たちの身体はただ漫然と肉としてあるのではなく、感覚を有している。通常はスライムの触感を顔面で受けることはなかろう。その違和感に肌が粟立つような感覚をもって、友沢の絵画はリアリズムを追求している。本作は東京都現代美術館で開催されたMOTアニュアル「シナジー、創造と生成のあいだ」(2023年)において発表された。