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Lightscape
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Year: 2022
Medium: tempera and oil on nettle
Dimensions: 180 x 110 cm (70 7/8 x 43 1/4 in.)
Acquired from ShugoArts, 2022
「限りなく透明な / 最も暗いところから⾒るヒカリ / 最も暗いところに現れる光 / 限りなく暗いところにヒカリ」本作が発表された個展「限りなく透明な」に際して副題として寄せられた作家のこの短い文章に三度繰り返されている「光(ヒカリ)」。展示の中核を担っていた本作は「Lightscape」と題されている通り、光の風景なのだろう。ゲーテの色彩論では闇と光は互いを必要とする表裏一体のものだ。これまでもイケムラの作品は可視・不可視を問うてきた。生命の来し方行く末、そして光と闇。宇宙の摂理とイケムラのイマジネーションの交歓がある。本作は作品の上部にいくほどに闇が深まる。極めて澄んだ黄色い明るみから、ピンク、アンバーへと緩やかなグラデーションと明度の降下とともに、仄かな筋のような燐光を残して遠く闇に消えていく。あるいは光が闇の奥から舞い降りてくる。