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Red ladder, Long nose
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Year: 2022
Medium: acrylic, aerosol on canvas
Dimensions: 90 x 34 cm (35 3/8 x 13 3/8 in.)
Acquired from Gallery TRAX, 2022
本作では、タイトルにあるように梯子が描かれている。作品全体も、上下に伸びるこの赤い梯子に合わせるように、極めて細長い矩形をしている。DIEGOのこれ以前の多くの作品でも梯子のモチーフは描かれてきた。梯子は彼らストリートのアーティストにとっては必要不可欠なものだ。それだけではない。DIEGOは梯子が「高く登る」ための、そして、何かを「乗り越える」ための道具であるという機能を象徴化して捉えている。ストリートでは梯子によってあらゆる障壁を乗り越えては、夜の闇に紛れて寡黙に描く。彼らの創造的情熱は音声によってではなく、スプレーペイントの射出に乗じて壁に向かって叫ばれている。「Ladder」は梯子以外にも地位という意味がある。だが、名声という高みに手を届かせるためのものをDIEGOは描いていないだろう。彼らの行く手を阻む高い壁があるとすれば、それを乗り越え、向こう側へ至ろうとする飽くなきクリエイティビティを意味している。