DIEGO
ディエゴ

Standing straight
1986年生まれ。美術の専門教育は受けておらず、10代からストリートアートに傾倒し、活動を始める。日本におけるストリート・アートの先駆的なコレクティブであるSIDE COREの主要メンバーでもある。DIEGOはホワイトキューブにストリートを作り出す作家である。都市の間隙を縫うように、衆目を避けるように、街の中で活動するストリートアーティストたちは常にメジャーな世界とは一線を引く。DIEGOもその例外ではないが、彼のストリートは他のアーティストたちよりも多義的なものだ。なぜグラフィティが街の中(戸外)で行われることに限定されねばならず、キャンバスやホワイトキューブという制約に挑んではならないのか。その明確な理由が存在しないならば、そういった暗黙のルールですら超えて見せるのがDIEGOであり、SIDE COREである。アカデミスムもマーケットの原理も必要としない彼は、問答無用の不条理(所謂アート業界という権威的な構造体にとっての)をホワイトキューブに持ち込んでくる。技量や理論には紐付けられることのない、路傍における無制限の表現のダイナミズムがそこにある。SIDE COREの派生コレクティブであるEVERYDAY HOLIDAY SQUADでも中心的な役割を担う他、世界各地のストリートアーティストと協働しながら行う壁画プロジェクト「LEGAL SHUTTER TOKYO」を主宰、Kaikai Kiki村上隆キュレーションによる「バブルラップ…」展(熊本市現代美術館、2018〜19)でも大掛かりなインスタレーションが紹介されるなど活躍が目覚ましい。