Year: 2021
Medium: acrylic, glitter, glass, spray, brass, aluminum, cloth on canvas, mounted on wood panel
Dimensions: 100 x 80.5 cm
Acquired from rin art associations, 2022
本作はまるでその抑えきれないイマジネーションを詰め込むようにさまざまな素材が使われている。カラフルな布地が張り込んであり、はみ出したり下地パネルの裏側まで回り込んで矩形を大きく歪めている。突き出るようにしてキャンバス面の領域を大胆に逸脱しているループ状の構造体は、もはやこれを絵画と呼ぶべきか躊躇するほどだ。鬼頭が取り組み続けているフラフープのインスタレーション作品にも通じて、本作のループが突き抜けていく画面の裏側にある別の空間へと作品が続伸していることを想像させる。「big rip」とは、宇宙の膨張と終焉についての理論的な仮説であるという。脳内のイメージを二次元的に可視化し、それをさらに空間的に展開し、時間的要素も貪欲に取り込んで構成していく自らの創造的活動を宇宙の加速度的膨張に準えている。いつしかそれが限界点を超えたとして、果たして宇宙は終焉しても創造性は止むことなどあるだろうか。