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SAKURA, 21, 4-570
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Year: 2021
Medium: archival pigment print on canvas, unique
Dimensions: 120 x 150 cm (47 1/4 x 59 in.)
Acquired from Taka Ishii Gallery, 2022
鈴木の代表的なシリーズの一つである「Sakura」。写真家である鈴木の作品の中では非常に稀な、キャンバス・プリントの作品である。同名の通常の印画紙にプリントしたエディション作品も作られているが、本作のみキャンバスのユニークピースとなっている。「見ること」にこだわる写真家として知られるが、本作はその特徴が良く表れている。湖面を覆う花筏、その切れ目に太い木の幹が聳えているのが見える。水面の揺らぎがそのまま蜃気楼のように図像を淡く歪めて、春の柔らかく華やいだ空気を伝えている。枝から舞い落ちて水面を漂う無数の花びらが幹と重なって、写真の中では今が盛りの満開の桜のように見えるのは構図の妙というべきだろう。本来水面に映るものは上下が逆になるのであるから、よく見れば作品の画像はわざと上下を反転させているのだろう。幻想的な作品である。