MARTIN CREED
マーティン・クリード
1968年ウェイクフィールド(UK)生まれ。1990年、スレイド・スクール・オブ・ファイン・アート(ロンドン)を卒業。日常の延長がふとした瞬間に不条理に崩れていくような作品を制作している。インスタレーション、ペインティング、パフォーマンス、音楽作品、演劇など作品内容にはおおよそ一貫性はなく、また全作品に対してタイトルとして概ね制作順に沿って作品番号が振られている。クリードの極めて端的な作品のプレゼンテーションは、ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートの系譜を引き継ぐと言えるが、しかし作品の中で取り扱う素材や状況の特殊性を際立たせる手法にはミニマルやコンセプチュアルのような冷静さとは異なり、ユーモアや遊戯的な感性が表れている。無意味とも思える行為の繰り返し、特定の事物の本来の意味を剥奪していくこと、事象の何か一部を置き換えてパラフレーズしていくこと。クリードの作品は全く無害な手付きで、日常の平穏を支える私たちの共通認識を揺るがしてしまう。2001年、イギリスで最も権威ある現代美術賞であるターナー賞を受賞。個展ではテート・ブリテン(2018年)、アンディ・ウォーホル美術館(ピッツバーグ, 2013年)他、世界各地での美術館個展や国際展参加があり、日本では2009年にアジア初の大規模個展を広島市現代美術館が開催している他、2016年に京都国際舞台芸術祭での個展(京都市立芸術大学サテライトギャラリー@KCUA)も開催された。MoMA(NY)、ブリティッシュ・カウンシル、テート・モダン(ロンドン)などに作品が収蔵されている。