SAM FRANCIS
サム・フランシス

Lyre Eight (Lembeck, L.S5)
1923年カリフォルニア州(US)生まれ、1994年没。University of California, Berkeleyにて植物学、心理学、薬学を専攻し、第二次世界大戦時に従軍後復学し美術にて修士号を得た後、1969年には母校より名誉博士号を授与された。1950年、当時のアメリカでは抽象表現主義の作家たちが頭角を表し始め、世界の美術の中心地はパリからNYへ移り始めていた最中、フランシスはパリへ留学した。以降はアメリカ、パリ、そして日本を主な制作・発表の場として行き来しながら、国際的評価を不動のものとしていく。特に、これまでの西洋絵画ではほぼなかったに等しい、「白地」の表現を確立した点で大きな功績が認められる。フランシス特有の余白の表現に関しては禅の思想との出会いも影響したとされているように、日本との関わりがフランシスの作家人生に公私に渡って非常に大きい。出光佐三は大パトロンとしてフランシスを支援し、その娘であり日本を代表する映像作家である出光真子は晩年の伴侶であり、同じく美術家となったフランシス真悟は実子。世界各国の美術館での展示は没後も絶えず続いており、重要コレクションへの収蔵多数。