RITSUE MISHIMA
三嶋りつ惠
1962年、京都生まれ。1989年にヴェネツィアへ移住し、1996年よりムラーノ島のガラス工房に通いながら制作を始める。三嶋の作品は、ムラーノのガラス職人たちとの協働によって制作される。ヴェネツィアン・ガラスといえば華やかな装飾性や鮮やかな色ガラスに注目しがちだが、三嶋はソーダ・ガラス本来の特性である高い透明性と柔軟な造形性を自身の作品に応用した。無色透明のガラスによって作られる嫋やかな造形は光を捉えて作品の内側に包み込み、身の内に複雑な宇宙を作り出す。2009年に第53回ヴェネツィア・ビエンナーレにおいてヴェネチア・パヴィリオンで開催された「…fa come natura face in foco」に選出されたほか、2014年横浜トリエンナーレなどの国際展での評価も高く、主な個展として2010年ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館(ロッテルダム)、2013年パラッツォ・グリマーニ美術館(ヴェネツィア)、そして、2022年ヴェネツィア派絵画の至宝を有するイタリア屈指の重要美術インスティテュートである国立アカデミア美術館において日本人として初めての個展が開催された。ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館、フランス・ハルス美術館(ハーレム、オランダ)、パリ装飾美術館、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)などが作品を所蔵する。