Mika Rottenberg
Lampshare (wall piece 5)
Year: 2025
Medium: Milled reclaimed household plastic / Lighting component: resin and electric hardware
Dimensions: 48.3 x 53.3 x 38.1 cm (19 x 21 x 15 in)
Acquired from Hauser & Wirth, 2025
近年ロッテンバーグは、スタジオのあるNY近郊でも繁茂する蔓性植物(他の樹木に巻きついて絞め殺してしまうため廃棄・駆除の対象になっている)による環境問題と、都市において日々大量に廃棄されるプラスチックを再生・再利用する技術に着目している。軽く、丈夫で、安く、加工性に富んだ性質は極めて人間社会にとって有用であり、私たちは生活の少なくない部分をプラスチックに依存している。人にとって有用である一方で、プラスチックは自然には還元されないため環境負荷の高い有害な物質という側面もある。ロッテンバーグは「Cosmic Generator」(2017年)などの過去作品においても、プラスチックの華美で軽薄でグロテスクな性質を過剰な消費社会・資本主義社会の象徴として用いてきた。あらゆるものは視点を変えて見ることでまた違った側面に気づくことがある。ロッテンバーグに言わせれば、廃棄されたプラスチックは都市の中から採掘される宝石(Urban Gemstone)のような資源でもある。私たちは大量のプラスチックを日々廃棄することで大地を汚してしまうのかもしれないが、その一方で優美なランプとして再生させることもできる。蔓は巻き付くことで自らが依存する樹木をいずれ枯らしてしまうが、そうと知りながら恐ろしくも美しい螺旋の造形につい心が奪われてしまうことがある。この彫刻的なランプ「Lampshare」のシリーズでは時折、作家が採取してきた蔓の枝が灯体を支える腕として使われている。本作ではその蔓の螺旋を鮮やかな色のプラスチック・チューブが模倣しているように見える。いちど蔓延ってしまった蔓植物を完全に駆逐できるわけでも、廃棄プラスチックをこの世から無くすことができるわけでもない。しかし、そうした「不要」とされるものの中からでさえ美しい灯を生み出してしまうロッテンバーグの制作行為そのものこそが、たくさんの矛盾を抱える現代社会に向けた辛辣な皮肉なのである。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
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