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bite / walk / compose 146
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Year: 2022
Medium: FRP, paint, steel
Dimensions: 90 x 90 cm (35 1/2 x 35 1/2 in.)
Acquired from MEET YOUR ART, 2022
磯村の作品は時折、Vernaculer(土語)であると評される。宗教、ジェンダー、人種、言語、人々の属性によって社会を大きく分断されることがある。磯村は、さまざまな属性によって可視化されていく大きな問題を、一旦自分自身のサイズにまで圧縮している。その過程の中で、極めて「磯村個人」のナラティブを介する。それを土語的であると見るのである。Vernaculerはマイナー言語を指す言葉だが、その話者以外の者にとっての「理解し難い」文化そのものへの疎外感を内包している。ディスコミュニケーションである。本作は、人の歯形と、三葉虫や多足類らしき生物の足跡、ゴツゴツした岩場のような凹凸によって画面が構成されている。人と三葉虫とが重なって生きた時代はなく、まして両者のコミュニケーションは全く成立しないだろう。しかし、噛む、そして歩く、という両者にとって原始的な行動にまで限定していくならば、両者にさしたる違いはないのかも知れない。