<a href="https://ueshima-collection.com/artist-list/329" style="color:inherit">PIERRE HUYGHE</a>:Idiom
<a href="https://ueshima-collection.com/artist-list/329" style="color:inherit">PIERRE HUYGHE</a>:Idiom
<a href="https://ueshima-collection.com/artist-list/329" style="color:inherit">PIERRE HUYGHE</a>:Idiom
  • <a href="https://ueshima-collection.com/artist-list/329" style="color:inherit">PIERRE HUYGHE</a>:Idiom
  • <a href="https://ueshima-collection.com/artist-list/329" style="color:inherit">PIERRE HUYGHE</a>:Idiom
  • <a href="https://ueshima-collection.com/artist-list/329" style="color:inherit">PIERRE HUYGHE</a>:Idiom
PIERRE HUYGHE
Idiom
Year: 2024
Medium: Real time voice generated by Artificial Intelligence, golden LED screen masks
Dimensions: 31 x 19.5 x 19 cm (12 1/4 x 7 5/8 x 7 1/2 in.)
Acquired from TARO NASU, 2024
艶やかな黄金色に光るこのマスクは、造形的には人の頭部から凹凸を削ぎ落としたような滑らかな曲線によって作られている。これを人の頭部あるいは顔を覆うマスクであると認識するのは、私たちがこの卵形の外形と緩やかな稜線を中央にもつ造形をそれであると感受するコードを経験的に持っているからである。本作のタイトルは「Idiom」とある。日本語なら慣用句や熟語にあたる。マスクの内部に組み込まれたセンサーによって周囲の人の声や環境音などを拾い、AIがその収集された音声を学習・解析することで独自の「ことば」を生成、発話する。これは「Idiom」にとって独自の言語であり、人間のそれとは異なるがゆえに私たちには理解ができず、ただ音としてのみそれを認識する。慣用句とは文字通りに読むのとは異なる単語の組み合わせを、経験的にそれが何を意味するかを学習することによって機能するものだ。「Idiom」が発する「ことば」は彼らが経験した事象を定義し、意味付けたという点では人間の言語と同じ原理を持つが、文法にあたる法則などはおそらく人の理解を超えたものに従っている。そして、彼らが置かれた環境に応じて、その「ことば」は常に進化していくのである。他者との意思疎通を目的とした言語に急速な変化は忌避される。いわば「Idiom」の「Idiom」のための「ことば」は、それが何を意味するかを他者と共有するコードという人間にとっての言語の帯域から逸脱し、人外の「ことば」を無限に生み続けるのである。

pic1: Courtesy of the artist and Galerie Chantal Crousel, Marian Goodman Gallery, Hauser & Wirth, Esther Schipper, TARO NASU, Leeum Museum of Art

pic2, 3: Courtesy of the artist and Galerie Chantal Crousel, Marian Goodman Gallery, Hauser & Wirth, Esther Schipper, TARO NASU, Leeum Museum of Art
Installation view, Pierre Huyghe, Liminal, Punta della Dogana, Venice, 2024
Photo credit: Ola Rindal
Artist Profile
TOP