Untitled
Year: 2015
Medium: Pigment,natural fibers,wood pulp and glue on canvas
Dimensions: 200.3 x 310.2 cm (78 7/8 x 122 1/8 in.)
Acquired from Phillips, 2024
画面全体を金色で大胆に覆った大作。ソディにとって金色を扱うことは純粋さ(purity)や、無垢(innocence)、神(the divine)とのつながりを想起させるという。ソディはこれまでも作品の素材として木や土などの自然物と、それらを絵具と混ぜたものを用いてひび割れや不規則な凹凸を持つ絵画を制作してきた。絵画制作により適した画材として研究開発が重ねられてきた絵具ではなく、あえて自然のままの素材を取り入れることは、ひび割れなどの思いがけない現象が作品の中に包摂されることをソディが容認していることを意味する。本作でもおが屑や天然の繊維が素材に使われている。顔料とそれらを混ぜ合わせ、まるで人の足が踏み入ったことのない荒地のような画面を作り出しているが、その土壌を思わせる様相からは直ちに想像されないであろう金色で画面は鈍く輝いている。ソディが述べるように、洋の東西を問わず金色は神聖なものを表すために多く用いられてきた。ソディが向き合い続ける自然とはただ美しいものではなく、時に荒れ狂い多くの命を奪い去り、時に豊穣と繁栄を人々にもたらすものだ。人の領分をはるかに超えたこのままならないものを、金の象徴性によって描出するのである。
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