UESHIMA MUSEUM COLLECTION

加藤泉 / IZUMI KATO untitled: Year: 2014/2019
Medium: soft vinyl, leather, wood, wood case with plexiglass cover
Dimensions: 99 x 90 x 50 cm (39 x 35 3/8 x 19 5/8 in.)
Acquired from SBI Art Auction, 2024

ケースの中で横たわるソフトビニールで作られた「人がた」の身体全体に、緑と黒の毛のような描写が描かれている。力無く萎びたような手足の先は指ではなく、赤や青の長い皮帯になっており立って歩くことも、ものを持つこともできないのだろう。加藤の作品では常に、身体に植物が生えていたり、手足が歪んで描かれていたり、人らしさと人らしからぬものが同居している。ソフトビニールや皮のような柔らかい素材で作られるものは特に、加藤の作る不安定な造形との相乗効果でよりその不気味さが際立ってくる。進化・退化の過程のようにも、あるいは発生から死滅までの生命の諸相が渾然一体となってそこにあるようにも見える。