Einstein Tower
Year: 2000
Medium: gelatin silver print
Dimensions: image size: 58.5 x 46.8 cm (23 x 18 3/8 in.) sheet size: 60.3 x 48.9 cm (23 3/4 x 19 1/4 in.)
Edition: No. 18 of 25
Acquired from SBI Art Auction, 2024
理論物理学者アルベルト・アインシュタインの名を冠するこの建造物は、ドイツのポツダムに1924年に建造された。アインシュタインは一般相対性理論によって強い重力場においては光の波長が長波長側にずれることを予測したが、アインシュタイン塔はその検証のために建てられた実験装置である。エーリッヒ・メンデルスゾーンの建築処女作であり表現主義建築の代表作と評される。当時はまだ新素材であったコンクリートの可塑性を活かした曲線を多用したシルエットは本来のこの建造物の利用目的を凌駕してそのデザイン性の高さにおいて特筆すべきものがある。杉本は各地の名建築をシリーズで撮っているが、そのいずれも本作のようにカメラの焦点距離を無限遠をさらに超える設定にして撮影されているため完全にボケた写真となっている。杉本曰く「建築耐久テスト」としてのこの撮影方法は、この曖昧な写真の視界においてもなお厳然たる存在が浮かび上がるのであれば、それでこそ名建築と呼ばれるに値しよう、との考えに基づいての試金石なのである。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
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