HIROSHI SUGIMOTO
杉本博司
1948年東京都生まれ。1970年立教大学を卒業後に渡米、1974年までロス・アンゼルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインで写真を修める。写真のコンセプチュアル・アーティストであるとも評される。NY自然史博物館の剥製展示を生きているかの如く写し出した「ジオラマ」のシリーズ以降、「海景」、「劇場」、「建築」、「陰翳礼讃」、「Lightning Fields」など、多くの写真作品を継続的に発表している。建築設計も多数手がけており、古美術や古典文学、伝統芸能などに対する深い造詣は作品にも表れている。74年以降はNYへ移り、当時MoMAの写真部門のキュレーターであったジョン・シャーカフスキーにより「ジオラマ」が評価され当館へ収蔵された。2008年「新素材研究所」を設立、2009年には日本の個展演劇、古美術から現代美術までの文化的な保存と振興を掲げて公益財団法人小田原文化財団を設立。2017年には構想に10年、建設に10年を費やして「江之浦測候所」を小田原市に開館し、杉本の写真作品、建築などを広く展観するとともに、杉本の総合的な表現活動と芸術理念を集大成するものとしている。テルアヴィヴ美術館、ヴェルサイユ宮殿、パレ・ド・トーキョー(パリ)、サムスン美術館(ソウル)など各国の美術館個展多数。2009年高松宮殿下記念世界文化賞を受賞、2010年紫綬褒章、2013年フランス芸術文化勲章オフィシエを受章、2017年文化功労者に叙される。