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諸国名橋奇覧 かめゐど天神たいこばし The Arched Bridge at Kameido Tenjin Shrine (from the series Remarkable Views of Bridges in Various Provinces)
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Year: 天保5年：1834年ごろ / Edo period : circa 1834
Medium: woodblock print
Dimensions: 24.7 x 37.3 cm (9 3/4 x 14 5/8 in.)
Acquired from Sotheby’s, 2023
北斎晩年の「諸国名橋奇覧」全11点のうちの一つ。北斎自身の「冨嶽三十六景」や歌川広重の「東海道五十三次」などと並んで名所絵揃物と呼ばれる。「諸国名橋奇覧」は、日本各地で美しいと名高い橋のある景色を描いたもので、京都嵐山の渡月橋や、足利の行道山浄因寺にある天高橋、山口の錦帯橋など、今なお名所と謳われる場所も多い。中には北斎の時代にすでに現存しなかったものや、実在が確認されていないものも含まれるが、本作に描かれた亀戸天神社の見事な太鼓橋(男橋)は、現在ではコンクリート製に作り替えられているものの今も残されている。本作は現在の橋の形と比較するとアーチがより急峻な様子に誇張されて描かれているように見えるが、戦前ごろに撮られた写真資料を見ると、戦後に作り替えられるまで孤の形状はむしろ北斎の描写に近い形だったようだ。同時代の広重もまた亀戸天神の太鼓橋を多く描いていることから、当時の江戸の人々に広く親しまれていたことが窺える。
