HOKUSAI KATSUSHIKA
葛飾北斎
1760年現在の東京都墨田区に生まれ、1849年没。江戸時代後期の浮世絵師。江戸中期を代表する浮世絵師である勝川春章に19歳で弟子入りし、画業を本格的に始める。当時の日本人としてはかなりの長寿ではあるが、「画狂老人」と自称した通り、90歳にて没する直前まで絵筆を手放さなかったと伝えられる。生涯でゆうに三万点を超える作品を残したとされ、「富嶽三十六景」や「北斎漫画」などの代表作は世界的に広く知られる。時代ごとに30回以上も画号を変えた。勝川派を離れたあとには琳派の作風に学ぶなどしながら独自の表現を拓いていく。19世紀末ヨーロッパで起こったジャポニスムでは浮世絵も多くの人々を魅了したが、マネやゴッホら印象派〜ポスト印象派の画家たちにも大きな影響を与えた。北斎は代表的な浮世絵師として彼らに研究され、斬新な構図や誇張された遠近表現、写実的描写に拘泥しない艶やかな色彩や自由な線描は西洋絵画になかった新たな表現を拓く多大な功績があったと言える。