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variation #1
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Year: 2013
Medium: gardening toy, light bulb, lens, feather, etc.
Dimensions: dimensions variable
Edition: No. 2 of 10 + A.P. 2
Acquired from New Auction, 2023
本作はいくつかのパートに分かれた小規模のインスタレーション作品として制作されている。電球に照らされた太陽光パネルが発電し、そこから電源を得たモーターが回転することによって玩具の蝶が羽ばたく。物事には原因と結果がある。バタフライ効果として広く知られているカオス理論上の思考実験があるが、現実の世界でも、時折計算や理屈を超えた結果がもたらされることがある。毛利の作品では、この原因と結果の間にある因果関係そのものを可視化するようなアプローチが多く見られる。蝶は、幼虫から蛹を経て羽化する際に不可思議な変態を遂げる。蝶というモチーフがAからBを経てCへ至る間の不可思議な因果関係を象徴しているのだとすれば、いかにも毛利らしい。人工的な光を受けて、恣意的にそれは作動する。自然ではなく、ライトを点ける人の行為がこの小さな閉じた系の中におけるエネルギーの口火として与えられる。それによって最終的に得られるのが、ひらひらと舞う蝶の羽ばたきだとして、それが光を運動に変換させたという現象の他に何も意味をなしていないことは明らかだ。作品の脇に置かれているレンズは私たちの目を誘引する。現象の因果を隈なく観測せよというメッセージだろうか。