Year: 1968
Medium: screenprint
Dimensions: sheet: 89.1 x 58.6 cm (35 1/16 x 23 1/16 in.) image: 81.3 x 47.5 cm (31 7/8 x 18 7/8 in.)
Edition: No. 49 of 250
Acquired from ACC Japan(Charity Auction), 2023
ウォーホル作品の中でも特に広く知られている作品。黄金時代とも呼ばれる60年代のアメリカは、経済的、文化的な発展を謳歌し、公民権運動や反戦運動などに代表される市民運動も活発化した時代である。文化、社会、経済の発展とともに大量生産、大量消費が日常の中に当たり前のものとなった時代背景そのものを象徴的に示して見せたのが「キャンベルのスープ缶」シリーズだと言える。毎日のランチに飲み続けた、との発言も残されているようにキャンベル製のスープ缶は事実ウォーホルの日常でもあった。1962年にシリーズ32点を初めて発表した際には大いに嘲笑の的となったエピソードが知られている通り、スーパーに行けば数百と並べられている誰でもいつでも見られる大衆的なデザインをただそのまま提示しただけに見えるそれが美術的価値の低いものとして見做されたことは、ウォーホルにとっては織り込み済みの結果でもある。スクリーン・プリントは大量に均質な複製を作ることを可能にする技術であり、複製技術によって、新しい消費社会における唯一性によらない美術作品のあり方を先導したのがウォーホルという作家だからだ。本作はウォーホルのコロラド州立大学での個展(1981年)に際して巨大なスープ缶設置プロジェクトに参加した原俊夫氏(原美術館:公益財団法人アルカンシエール美術財団理事長)へポップ・アートの著名コレクターであるジョン・パワーズ氏から友好の証に贈られ、その後原氏よりACC Japan(Asian Cultural Council)活動に対する賛意として寄贈されたものが当コレクションへと継承された。