ANDY WARHOL
アンディ・ウォーホル

Jane Fonda (F. & S. II. 268)
1928年アメリカ、ピッツバーグ生まれ。東欧系移民の家庭に育ち、ニューヨークで商業イラストレーターとして出発、雑誌や広告の商品の絵を描いたり、ウィンドウ・ディスプレイを手がけたりしていた。1962年にロサンゼルスのフェラス・ギャラリーでアーティストとしての初個展を行う。シルクスクリーン技法による版画制作はアート界に革新をもたらした。さらにウォーホルが行なったアートの革新は、キャンベル・スープ缶やブリロ・ボックスといったありふれた日用品をそのままモチーフとし、「ポップアート」を確立したことである。マリリン・モンローの肖像画と《100個のスープ缶》《100本のコーラ瓶》《100ドル紙幣》など、ウォーホルの代表作にしてポップアートの金字塔となる作品をニューヨークのステイブル・ギャラリーで展示、1960年代を象徴するアーティストとなった。作品は「ファクトリー」と呼ばれるスタジオで量産され、大量消費社会、市場主義の世界をそのまま映し、評論家から批判を浴びるが、それによりウォーホルの知名度はさらに上がった。その後、富裕層のパトロンからの「注文肖像画」を大量に制作し、1975年に出版した自伝『アンディ・ウォーホルの哲学』の中で「金稼ぎはアートであり、労働はアートであり、良いビジネスは最も良いアートだ」と述べる。80年代にはジャン=ミシェル・バスキア、キース・ヘリングら若い世代とも交流し、常に最先端を切り拓いていったが、同時にクリスチャンとしての世界観、自身のセクシュアリティ、そして死を強く意識させるシリーズも発表していた。1987年にニューヨークで死去。彼の残した数々の言葉の中でも、次の2つはウォーホルというアーティストの本質を表し、かつ、今の時代を予言しているとも言えるだろう。「誰もが15分間なら有名人になれる。いずれそんな時代がくるだろう」「もしアンディ・ウォーホルのすべてを知りたいのなら、私の絵と映画と私の表面だけを見てくれれば、そこに私がいる。裏側には何もない」