Year: 2020
Medium: rose quartz, cast bronze jet nozzles, smart glass film, custom social network analysis algorithm, lidar, embedded computing board, electrical components, concrete, steel, aluminum, wood, glass
Dimensions: Stone: 77.5 x 86.4 x 63.5 cm (30 1/2 x 34 × 25 in.) Glass panels: 91.4 x 167.6 x 1cm (36 x 66 x 3/8 in.) each Concrete bases: 40.6 x 31.1 x 31.1 cm (16 x 15 x 15 in.) each
Acquired from Pace Gallery, 2023
本作は、彫刻作品シリーズ「Pranayama」シリーズを発展させたインスタレーション作品として、Art Basel Unlimited 2023(スイス)において発表された。「Pranayama」は大理石や木材、ローズ・クオーツ(水晶)の原石などを用いた躯体にいくつかの穴が穿たれ、そこにジャグジー・ノズルが埋め込まれている。「Pranayama」とはサンスクリット語で命を宿した空気を操ること、という意味を持つ。生きるために息をすること。ここで象徴的に扱われているジャグジー・ノズルは体の内外を循環する呼気を表している。本作ではローズ・クオーツ製の「Pranayama」を囲むように一双のガラスパネルが立てられている。鑑賞者がこのパネルに近づくと、センサーによってソーシャル・ネットワーク分析アルゴリズムが作動し、ガラスは透明になったり不透明になったりを繰り返す。それは呼吸のようでもある。ジャグジー・ノズルの配置は鍼灸の経絡図を参照しているという。「Pranayama」の呼吸、そして経絡という体内ネットワークは、本作が人間の体を主題としていることを明示している。さらに本作では田島の表現する身体性は、ソーシャル・ネットワークという体外へとその射程を広げ、他者を自らの同定のために必要としている。「You Be My Body For Me」というタイトルは、二人の哲学者ジュディス・バトラーとカトリーヌ・マラブーによる討論を引用しているはずだ。彼らはヘーゲルやフーコーを参照しながら「plasticity(可塑性)」という言葉を使って身体と形のあり方を広く発展的に論じた。本作は「私」と「あなた」の間に可塑性として存在する「身体」を思考する。