Year: 2012
Medium: carpet, formica, astroturf, screenprint on plywood, OSB, resin, cast on panel and stainless steel frame
Dimensions: 217 x 167.5 cm (85 1/2 x 66 in.)
Acquired from Sotheby’s, 2023
ジャクソンは雑誌『Life』の表紙が象徴するアメリカの近現代史について目を向けたシリーズを制作している。タイトルにある通り本作では1958年9月8日に刊行されたものを題材としている。その表紙にはガラパゴス諸島を特集する内容の題字と、ガラパゴスゾウガメとベニタイランチョウのイラストが描かれている。ガラパゴスゾウガメとベニタイランチョウは、いずれもダーウィンにゆかりのある生物だ。『種の起源』は1859年だが、この号が発売されるまでの100年間、進化というテーマに対する議論は重ねられ時に宗教や倫理の観点から多くの軋轢も生じた。1958年当時は、アメリカではまだ州によっては反進化論法が州法に定められていた時代だ。
ジャクソンの作品はオリジナルをほぼ忠実になぞっているが、人工芝風のカーペットや内装用の化粧パネルなど様々な素材を使った象嵌のように表現されている。本来は一目で『Life』誌であることを購買者に訴求する特徴的な赤いデザインが本作では表現されていない。また、兵士などが身につける認識標を逆向きにしたようなものが作品左方下部に加えられており、素材の選択ゆえか明るく軽やかな作品全体の印象と対比的な暗さと重さがある。これの意味するものは何だろうか。
Courtesy of Sotheby's