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VENERE
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Year: 2023
Medium: glass
Dimensions: 35 x 22 x 22 cm (13 3/4 x 8 5/8 x 8 5/8 in.)
Acquired from ShugoArts, 2023
非常に高い透明度の無色の球体ガラスが重なっている。ガラスの中に残された気泡がガラス球の中に入り込んだ光をかすかな瞬きに転じていく様子が美しい。三嶋の作品はヴェネツィアン・ガラスの工房が集まる島として知られるムラーノ島で職人たちと共に作り上げられている。技術者としてのマエストロ(親方)とイマジネーションを司る指揮者としての三嶋が作り上げる火炎と流体の彫刻。それを三嶋は「炎の果実」と自著で表現している。本作は、ほぼ真球に近い球体を用いた作品であることで、どこか完結された存在を想起させる。しかし、三嶋が「炎」という言葉を用いて敢えてそのプロセスと完成形とのギャップを伝えているように、今ここにある冷ややかな造形物は燃え盛る炎によって生み出されたことを忘れてはならない。
「Venere」とはイタリア語においてヴィーナス、つまり金星を意味し、ローマ神話では美と豊穣の女神である。ヴィーナスと同一視されるギリシア神話のアフロディテ(ヴィーナス)は、トロイア戦争の火種とされる「パリスの審判」として有名な黄金の林檎(不和の林檎)のエピソードでも良く知られる。最も美しい女神の座をヘラ、アテネと競い勝利したことで、林檎の果実を持物としている。
展示会履歴
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- 2023 年 個展「祈りのかたち」シュウゴアーツ(東京)
https://shugoarts.com/news/64801/
2024年「そこに光が降りてくる - 青木野枝 / 三嶋りつ恵」 東京都庭園美術館
本作品は、東京都庭園美術館「そこに光が降りてくる - 青木野枝 / 三嶋りつ恵」展に貸出協力中のため、
現在当館では展示されておりません。貸出先展覧会にてぜひご鑑賞ください。
貸出先展覧会情報
「そこに光が降りてくる - 青木野枝/三嶋りつ惠」
会場:東京都庭園美術館 (本館+新館)
会期: 2024.11.30 ( 土 ) ~ 2025.2.16 ( 日 )
休館日: 毎週月曜日、年末年始 (12 月28日(土)~2025年1月4日(土))
開館時間:10:00~18:00
※最終入館は閉館時間の30分前まで
※11月30日(土)、12月6日(金)・7日(土)は秋の夜間開館のため20時まで開館