Stack 7, Ultramarine Blue
Year: 2018
Medium: polystyrene, pigment, metal and concrete, in 8 parts
Dimensions: 93 x 23 x 21 cm (36 5/8 x 9 x 8 1/4 in.)
Acquired from Sotheby’s, 2023
モリスを最も世に知らしめている「Stack」シリーズ。作品タイトルには主役となる色彩が示されている。その名の通り、大小の丸みを帯びた形状が歪なバランスで積み上がっている。本作では頂点のウルトラマリンが最も大きく、その視覚的な不安定さが増している。可愛らしい形状と、美しい色彩、乱れる様も心地よく捉えられる見事な均整が作品を明るく見せるが、コンセプトには仄暗い影が差す。モリスは初子を死産で亡くしている。その際に生まれたのが「Stack」のシリーズである。明るい色彩に希望を託しながら、一つづつ悲しみを乗り越えるようにして積み上げられた形こそが、この歪みつつも美しい彫刻である。日本の俗習にある賽の河原、キリスト教聖地巡礼者の石積み、荒野の道標、登山者のケルンなど、世界中に様々な想いを積み上げて残していく習慣は多数ある。モリスの「Stack」もまた、その行為自体が彼女の心の拠るべであったと同時に、時間をかけてその複雑な感情に折り合いをつけてきた自らの標として残したものであることは間違いないだろう。
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