untitled
Year: 1984
Medium: oil on canvas, in artist's frame
Dimensions: canvas size: 30.5 x 24.1 cm (12 x 9 1/2 in.) / frame size: 40 x 34 cm (15 3/4 x 13 3/8 in.)
Acquired from Phillips, 2023
丘の上に突如現れる高層の建築物、その中央にピエロのような白い相貌が浮かんでいる。今にもその街を呑み込むのではと思えるオレンジ色の飴のようなものは彼の胴体だろうか?丘の周りには雲が棚引いているように見えるが、それらもどこか気体というより液状の質感を強く感じさせる。背景の奥から狼煙のように伸び上がるものが、天に向かって逆流する水滴のようにも見え、絵画の中の奇想を一層際立たせている。作品に付けられた古めかしい飾り額も作家自身が取り付けたもの。現代美術ではコンテキスト(文脈)が重視されるが、コンドはそのまさに文脈を熟知した上で自在に操り、時には弄ぶようにして、美術のオーソドックスに対して破戒的に振る舞う作家である。本作においても、シュール・レアリスム、ポスト印象派、あるいは象徴主義など過去の美術史からのスタイルの引用があり、そしてそれをいかにもな額装に仕立てて提示している。
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