Slaves, Ex Slaves
Year: 2021
Medium: Neon mounted on aluminum backing
Dimensions: 36 1/2h x 34 3/4w x 10.16d in 92.71h x 88.27w x 10.16d cm
Acquired from Monastery Foundation, 2022
大学で彫刻と陶芸、都市計画、宗教学を学んだシアスター・ゲイツは、シカゴのサウスサイド地区で手掛けた黒人コミュニティ再生の画期的なプロジェクトで知られているが、自らの本質は陶芸家だと言う。1999年に愛知県常滑市に滞在して陶芸を学び、以来何度も来日し日本の「民藝」の思想に深く共鳴したゲイツは、近年、日本の哲学とブラックアイデンティティを融合させた「アフロ民藝」に取り組んでいる。本作は、「STILL ALIVE国際芸術祭あいち2022」の常滑市会場にて、休眠状態にあった古い住宅を生まれ変わらせたインスタレーション「The Listening House」で展示された。ブルーのネオン管でかたどっているのは、1900年パリ万国博覧会においてアメリカの社会学者・黒人運動家のW.E.B.デュボイスが展示したブラック・アメリカンの歴史と実情を示す統計資料のひとつ、アメリカの黒人のうち奴隷が占める割合のチャートである。左端の1790年から右へ70年間、図の下部分に黒で示された奴隷の割合は上のネオン管部分(=自由)を圧倒し続け、1863年の奴隷解放宣言を経てようやく、右端の1870年には100%が自由な黒人となる。現代まで反映される、アメリカ社会が抱える歴史の闇を浮き彫りにする鋭い目線ながら、どこかノスタルジックで詩的なたたずまいの、ネオンによる彫刻作品である。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
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