-
Bomb Love
-
Year: 2003
Medium: Screen print in colors
Dimensions: 69.3 x 48.3 cm (27 3/8 x 19 1/8 in.)
Edition: No.346 of 600
Acquired from PHILLIPS, 2022
社会に向けて批評性の高いメッセージを投げかけ続ける、顔のないストリートの生ける伝説。グラフィティという文化を世界中に知らしめ、街の片隅で燻り続けていた路上の若い怒りを、誰よりも強く大きな声へと変えた。本作は「Bomb Hugger」と呼ばれることもある。幸福感のあるピンク色の中、爆弾を愛しそうに抱きかかえる少女の笑顔は、誰を思ってのことだろうか。紛争や戦争、大きな社会問題や抑圧に対する抵抗の旗手でもある。かつては風刺画家たちが為政者や社会問題に対して皮肉な笑みを武器として戦っていた。同じように、バンクシーはメディアを操り、アートマーケットを利用した。爆弾が、常にやわらかなぬいぐるみであれば誰もが笑顔になる。オリジナルは同時多発テロの起きた2001年、ロンドンの路上に描かれたものが最初とされるが、以後も各地でいくつかのヴァリエーションが確認されている。初期の代表的なモチーフである。