Oracle
Year: 2022
Medium: Indian rose mirrored glass, stainless steel
Dimensions: 13 x 146 x 22 cm (5 1/8 x 57 1/2 x 8 5/8 in.)
Acquired from Kukje Gallery, 2022
レンガはオトニエルの90年代の作品から継続して見られ、ビーズと並ぶ代表的なモチーフの一つである。例えば2018年の大規模なインスタレーション「Big Wave」は吹きガラスで作られたレンガが津波のごとく積み上げられたものだ。レンガは人類史においても重要なものだ。古来、人々はレンガを用いて家や砦、道、竈を作って生きてきた。オトニエルは作品を常に空間に作用させることを意識しているが、彫刻作品の宿命でもある空間との関係性において、オトニエルの思考は建築や数学、果ては人類の生活史にまで及ぶのである。レンガで作られた塀の一部を切り出してきたような造形が特徴的な本作は「Oracle」(神託)と名付けられている。オトニエルは、アーティストとは預言者のごとく先を見通す者であり、自分の作品は神託のごときものである、という主旨を語ったことがある。レンガ積みは単純で論理的な構造の繰り返しだが、それはある種のコードとなってオトニエルに下った神託を私たちに想像させる。
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