Year: 2020
Medium: acrylic on canvas, framed
Dimensions: 18.2 x 24.9 cm (7 1/8 x 9 3/4 in.)
Acquired from Blum & Poe, 2022
岡﨑の代表作の一つと目されるゼロ・サムネイルのシリーズ。ゼロ・サムネイルは、最小の規格サイズである0号キャンバスに描かれる。そして、端正ながらも四方に欠落のある木枠に収められているのが特徴でもある。作品の内容は歴史上の絵画のさまざまなエピソードに着想を得ているとされる。そのタイトルを元にして想像力を働かせながら自分なりに作品を紐解いていくのも面白い。本作のタイトルにはまず、ポルトガル語のEncontro das águas(Meeting of waters)とある。ブラジルの有名な河川合流域の名称であり、黒と茶色の異なる質の水流が合流地点からしばらくくっきりと分離したまま、一つの川を二分している奇景として知られる。タイトルの後半はおそらく、フランスのバロック期を代表する作家の一人ニコラ・プッサン作の「Landscape with a Man scooping Water from a Stream」から取られている。同作は、一本の小川を挟んで白衣の青年と青衣の老齢の男性が描かれている。若者は力のみなぎる腕を水面に伸ばして水を汲み上げようとし、一方の老人は足を投げ出してやや疲れた目線を若者が掬おうとしている水面に送っているように見える。岡﨑が、交わらぬ水流と老若の二人という対比によって、一体何を抽象しようとしたのか、この小さな作品から思索を進めてみるのも良いだろう。