Work No. 2204 (DON’T WORRY)
Year: 2015
Medium: multicolor neon
Dimensions: 16.4 x 160 x 13 cm (6 1/2 x 63 x 5 1/8 in.)
Edition: #2 of 3 + 1 A.P.
Acquired from Hauser & Wirth, 2023
クリードはネオン作品を数多く発表しているが、その中でも繰り返し制作されているモチーフが「DON’T WORRY」というフレーズだ。作品No.220(1999~2002年制作)では白、No.239(2000年制作)は青、ケルンにある聖ペーター教会に設置されたNo.252(2000年制作)は白、No.273(2001年)は黄色、No.277(2002−2003年制作)は緑、No.291(2003年制作)は赤、No.794(2007年制作)は白、といずれも単色の作品になっている。No.890(2008年制作)は黄色で、TATEのコレクションになっている。これはコーナー壁面に二面に分けて「DON’T」と「WORRY」が直角に折れ曲がるように展示される。一方で本作は、壁面ではなく天井から中空に吊り下げるようになっているためネオンサインが表裏両サイドに付けられている。また、文字の一つ一つが異なる色彩になっており丸みを強調した字形と相まって、クリードのポップな作風がより強調されていると言える。
この楽観的なフレーズは、日常的な会話の中では不安を抱える人に対して心を込めて投げかけられるものだろう。本作は、こうしたヒューマニズム的な言葉の本来的な意味を剥奪するように美術館やギャラリーという特別な環境に展観されるという美術の制度に対する反語的な批判精神とも受け取れる一方で、ただ明るく享楽的な励ましの言葉を一般大衆に投げかけることで返ってくる反応をユーモアとして楽しんでいるだけのようにも取れる。この人を食ったような態度こそクリードの作品らしい。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
本サイトに掲載されているデータは著作権の保護の対象となります。無許可での転載・転用はご遠慮ください。 Any materials on this website are protected by the copyright law. No reproduction without permission allowed.