Thick Pink Nervous Breakdown
Year: 1998
Medium: stainless steel, concrete, polyurethane and sponges
Dimensions: 188 x 95.6 x 81 cm (74 x 37 3/4 x 31 7/8 in.)
Acquired from Sotheby's, 2022
クインの代表作として作家自らの血液をつかって自身の頭像を模った「Self」があるが、本作はその傍流とも言える。コンクリートの台座から真っ直ぐに立ち上がったポールの突端にクインの頭像が載っている。頭頂からまるで緩いチョコレートを流しかけたその瞬間で時間が止まったように、滑らかなポリウレタン樹脂が頭部から滴り落ちる様子をそのままに凝固している。タイトルから自ずと脊髄や脳へとつながる神経組織、あるいは色彩から血管などを連想する。足元のコンクリート台座には海綿が貼り付けられている。これらは明確に身体性のメタファーである。クインらしい毒の味のする作品である。Nervous Breakdownというタイトルでは、さまざまな色の類似作品や発展作品が作られているほか、90年代末の同時期には同じようなポリウレタン樹脂やゴムを用いたセルフポートレート的な彫刻作品が多く発表されている。
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