MARC QUINN
マーク・クイン
1964年ロンドン(UK)生まれ。1985年、ケンブリッジ大学にて美術史の学位を修める。YBA(Young British Artists)の一人として数えられる。クインは自らの血液を固めて作った自身の頭像「Self」(1991年)でデビューし、同作はその後も5年ごとに繰り返し制作されている。その後も一貫してクインは生命や人体についてを作品にしている。冷凍した花のインスタレーション、生肉を写実的に描いた絵画、胚の彫刻、中でもクインの名を最も広く知らしめたのは2005年から2007年にロンドンのトラファルガー広場の第四台座(選抜された彫刻作家が一定期間作品展示を行う権利を与えられるプログラム)を飾り、更に2012年のロンドン・パラリンピックの象徴として展示された「Alison Lapper Pregnant」である。生命とは何かという極めて根源的な問いを強く発し続けるが故に、クインの表現は時に過激で、ともすれば生命の尊厳やタブーに触れる瀬戸際にすら踏み込んでいく。他者があえては触れぬ領域にクインにとっての希求すべき美があり、またその自らの行いを通して、人々が目を背けがちな問題を表面化し議論を促していくのである。主な個展に、Arken Museum of Modern Art (コペンハーゲン)、ファウンデーション・プラダ(2017年)、Centro de Arte Contemporáneo, Málaga(2014年)、Fondazione Giorgio Cini, Venice(2012年)、テートリヴァプール(2002年)などがある他、多くの国際的展覧会に参加。