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JR at the Louvre, La Pyramide, close-up South West angle
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Year: 2019
Medium: color photograph, matte plexiglass, aluminum, wood (face mounted)
Dimensions: 100 x 100 cm (39 3/8 x 39 3/8 in.)
Acquired from Perrotin, 2022
街中で写真を使った大胆な仕掛けを実践するアーティストとして知られるJR。本作の舞台はパリのルーブル美術館である。ルーブルの中庭には、美術館へのメインエントランスでもあるガラス製の大きなピラミッドが設置されている。本作はその一角を写真に収めたものであるはずが、肝心のガラスのピラミッドはまるで姿を消してしまっており、代わりに建物の壁が45度にモノトーンに塗り替えられてしまったような不思議な光景の写真となっている。JRは本作において、綿密な計算のもと、ピラミッドの表面にその背景に重なる建物の壁面や道路の画像を実物大サイズで貼り付け、ある角度から見ると完全にそれは風景と合致し、結果としてピラミッドの姿は掻き消えることになるのである。この消されたピラミッドは普段この場所のシンボルであり、ルーブルという美術館の顔の役割をになっている。それを消すということが、人々にどういう感情を抱かせるだろうか。JRは、作品プロジェクトによってある場所に介入することでセンセーションを巻き起こす。それが、美術によって社会的な実践となることを知っているからである。