Year: 2006/2020
Medium: Giclée print in colors, flush-mounted to aluminum with metal strainer on the reverse
Dimensions: 100 × 100 cm (39 3/8 × 39 3/8 in.)
Edition: No. 144 of 200
Acquired from PHILLIPS, 2022
オリジナルは2006年に制作された、290 x 290 cm にも及ぶ大型のペインティングで、2007年ベニスビエンナーレにおいて発表された。現在はロンドンのTATE Modernにプライベートコレクションから長期貸与されている。リヒターの作品の多くは抽象絵画であり、タイトルも単に「Abstraktes Bild」(抽象画)と付されることがほとんどである。ただ、時折特定の名詞を冠したシリーズが作られることがある。本作も「Cage」と名付けられた6点からなる連作の内一点である。リヒターの抽象画でよくみられるスキージーによる引き伸ばした鮮やかな色彩が眼を惹く。「Cage」は、檻や籠を意味するのではなく、John Cageの名から採られている。実験的音楽の金字塔「4分33秒」や「チャンスオペレーション」でその名を知られるアメリカの音楽家である。リヒターは、アトリエで常にケージの音楽に浴しながら本作に取り組んだという。