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あかくもえる / Burning Red
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Year: 2012
Medium: oil on canvas
Dimensions: 181.1 x 227.3 cm (71 1/4 x 89 1/2 in.)
Acquired from Tomio Koyama Gallery, 2022
工藤の2000年代の初期作が鮮烈な色彩でフォーヴからの影響を指摘されていることに比べると、2010年代あたりの作品にはどことなく鬱屈とした暗さが画面を覆っている。およそ10年単位で大別していくならば、近年の2020年代の作風はかなり明るく開けた印象へとかわってきていると言える。本作はその観点から見れば2010年代の特徴がよく表れているだろう。水色で描かれた人物が中空に横たわっている。その浮かない表情や手足を木々に吊るされたような姿は物悲しさが滲んでいる。その浮世離れした様子に似つかわしくなく、背景に広がる森は高く聳える針葉樹の垂直性が力強く描かれ、生命感がみなぎっている。梢に青空がのぞく様子からそこまで暗い森ではないようだ。おそらく西日の赤い光が、ところどころ幹の低い位置にまで差し込んでいる。深い森の内側まで赤く照らされたこの景色のように、冷めた様子に見える水色の人物の胸の内も実は静かに燃えているのかもしれない。
