存在様態 (髑髏) / State of Being (Skull)
Year: 2015
Medium: metal frame, red thread, skull model
Dimensions: 50 x 25 x 25 cm (19 5/8 x 9 7/8 x 9 7/8 in.)
Acquired from KENJI TAKI GALLERY, 2022
「存在様態」は塩田の作品の中でも最も重要なシリーズであると目される。直方体の金属製フレームによって囲われた中にさまざまなオブジェが置かれ、赤、白、黒などいずれか単色の糸によってそのオブジェが中空に保持されている、というものだ。本作は塩田の代名詞とも言える赤い糸、そして塩田の一貫したテーマである死と生についてを象徴する髑髏の組み合わせが選ばれている。「存在様態」の語を、塩田はおそらく言語理論や哲学用語から採っていると思われる。デカルトやスピノザらが論ずる存在論では「実体」「属性」「様態」という区別によって存在を記述していく。絶対的な「実体」が変容した状態を意味する「属性」、「実体」が何らかの特殊性を帯びた様子を「様態」として事象を判別していく。塩田の「存在様態」シリーズで表されるものは、それがいかにして在るのか(being)という状態の表明(state of)である。そして、ある事物がその在り方によって特殊性を獲得している状態を造形として捉えることだ。ヴァニタスとして髑髏を用いることで、本作に相対する私たち個々に向けてそれぞれの死と生についての「様態」を問いかける。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
本サイトに掲載されているデータは著作権の保護の対象となります。無許可での転載・転用はご遠慮ください。 Any materials on this website are protected by the copyright law. No reproduction without permission allowed.