CHIHARU SHIOTA
塩田千春
1972年大阪府生まれ。1996年京都精華大学芸術学部洋画専攻を卒業、同年よりハンブルグ美術大学、1997年から1999年ブラウンシュヴァイク美術大学(マリーナ・アブラモヴィッチに師事)、1999年から2000年ベルリン芸術大学(レベッカ・ホルンに師事)。「記憶と喪失」、「生と死」を主題とした作品を多く制作している。空間に血管や毛髪を思わせる赤や黒の糸を張り巡らせた大規模なインスタレーションや、同様の糸が網のように絡み合うタブローや彫刻作品、水彩・木炭によるドローイングなどで知られる。活動初期のパフォーマンスや映像作品から一貫して生命の根源へと近接しようとする姿勢が見られるが、近年の作品においては癌との闘病経験が塩田の死生観をより迫真のものにしている。国内外での個展、重要な国際展への出展多数。第56回ヴェネチア・ビエンナーレ(2015年)の日本代表作家である。キール歌劇場(ドイツ)のオペラ公演舞台美術制作(2014年-2018年)なども高い評価を受けている。主な作品収蔵先として、東京国立近代美術館、国立国際美術館(大阪)、21世紀美術館(金沢)などのほか、活動拠点とするドイツではフライブルク近代美術館やホフマン・コレクション(ベルリン)など、また、パスクアートセンター(スイス)、フィンランド国立現代美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館など世界中の重要な現代美術館・コレクションがある。京都精華大学客員教授、カリフォルニア美術大学客員教授を歴任、2020年より多摩美術⼤学大学院EWS(エクスペリメンタル・ワークショップ)特任教授に着任。