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宇宙とつながる / Connected to the Universe
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Year: 2021
Medium: water-soluble wax pastel, ink, thread on paper
Dimensions: 27 x 37 cm (10 5/8 x 14 1/2 in.)
Acquired from KENJI TAKI GALLERY, 2022
塩田の作品にはたびたび宇宙が登場する。糸が表すのは宇宙であり、血液であり、心と心を繋ぐものだと塩田は繰り返し述べている。本作では向かい合う二人の間を糸が結んでいる。タイトルに「宇宙とつながる」とあるが、塩田にとっての宇宙は魂や精神など人間の内部的な宇宙という意味も含んでいる。人と人を繋ぐ糸は、同時に人と宇宙、宇宙と宇宙がお互いにつながることを表しているだろう。塩田のドローイング作品では、人物や船から噴き出す網目か泡のような描写が見られることがあるが、本作においてはそれが人物を取り巻くようにして描かれている。塩田の描く線や糸は単にAとBを直線的に繋ぐというだけのものではなく、むしろ様々な障害や困難を迂回し、複雑に絡みながら全体を包み込んでいく。塩田のインスタレーションでは糸が多重に重なって複雑な網目を作り出し、ガラス作品などの彫刻においても果物の房や内蔵器官のような内包性のある造形が多用されていることも関連してくるだろう。