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A Night at Birdland
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Year: 2021
Medium: oil, pigment, cymbal, brush on canvas
Dimensions: 180 x 180 cm (70 7/8 x 70 7/8 in.)
Acquired from Ginza Tsutaya Books, 2022
タイトルを見れば、この人物がジャズドラマーのアート・ブレイキーであることがわかる。水戸部はこれまでも、さまざまな著名人を風刺的に、あるいは尊敬の念を込めて描いてきた。鮮やかなグリーンの背景にART!の文字が踊っているのは言葉遊びだろうか。水戸部の他の作品同様、おそろしいまでの絵具の量によって、ドラムの胴やブレイキーの顔、さまざまなものがレリーフ状に隆起している。さらに、向かって左肩にあるシンバルは実物がキャンバスに強引に貼り付けられている。水戸部の絵画はパースペクティブによる仮想の空間性を拒絶し、こちら側へと物理的に立ち向かってくるものである。貪欲に描く対象の全てを掴み取るようにして、大量の絵具を握り締めながらキャンバスに向き合い続けるからこそ、今にもブレイキー得意のドラムロールが鳴り渡りそうな本作のような圧倒的にパワフルな作品制作が可能となるのである。
