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夜の明かり / Night Lights
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Year: 2019
Medium: oil on canvas
Dimensions: 227.3 x 181.8 cm (89 1/2 x 71 1/2 in.)
Acquired from Tomio Koyama Gallery, 2022
梅は百花の魁と言われる通り、冬の寒さが厳しい2月ごろに咲く。ゆっくりと時間をかけて花をひらいて香りを綻ばせながら、春遠からじと告げる。工藤は本作を振り返って、夜に見る梅が好きだったと作品集『空気に生まれ変わる』に書いている。この時期の夜は寒く、その凛と刺すような空気が画面からも感じられる。紅白の梅の間を青白い人物が、なぜか頭には雄鶏を乗せて歩いている。紅白の梅が冬の夜の凍ったような風景をほんのりとしたピンク色で少しだけ暖かく見せている。
梅が早春を告げる花だとすると、鶏は夜明けを知らせて鳴く鳥だ。長い冬、暗い夜がもうじき明けてくれるのだと淡い期待を胸に歩みを進めているはずの人物の面持ちは未だ硬く強張っているが、これからの春の訪れとともにゆっくり綻んでいくのだろう。
