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あの時1人でたのしかった / I had a Good Time All by Myself This Time
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Year: 2022
Medium: oil on canvas
Dimensions: 194 x 259 cm (76 3/8 x 102 in.)
Acquired from Tomio Koyama Gallery, 2022
青空と芝生のグリーンで両分された画面に鳥と建物がひしめくように描かれている。中央に描かれた少女は作品のタイトルとは裏腹に少し物憂げな様子に見える。作品集『空気に生まれかわる』(2022年)には本作について工藤自身のコメントが書かれている。子どもの頃に家族で弘前公園(青森県)へ花見に訪れたのだという。公園には園内で見られる野鳥を紹介する看板が立っており、本作で描かれている多数の鳥はそれを想起しながら描かれた。鳥たちとともに、弘前という街を印象付ける歴史的建造物がいくつも描かれている。幼少期に住んだ街の思い出の断片が画面に溢れ出している。
賑やかな画面の中でひときわ目立つように描かれている少女の、その内向的な表情に再び目を戻す。大人になってから改めて故郷を訪れたとき脳裏に甦ってくる過去の記憶や感情は、工藤にとってはきっと一人で静かに胸の内で楽しむものなのだろう。
