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振動する風景的画面 / Landscape-Like Surface Vibrates
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Year: 2017
Medium: oil, oil pastel, charcoal on canvas
Dimensions: 200 x 250 cm (78 3/4 x 98 3/8 in.)
Acquired from Hino Gallery, 2022
2005年より続けられている「Green」シリーズの紛れもない最大かつ傑作の一点。広い画面に、細やかに描きこまれた白線が光を受けて浮かび上がる。タイトルを見れば「振動する」とある。画面全体の動きが垂直を感じさせる中、白線は確かに水平方向に揺れている。国や地域によって、人が緑色から受ける印象は異なるだろうが、この茫漠とした緑一面の絵画を見て崇高さを感じる以外に何があるだろうか。緑は「宿望の色」だと松本は語っている。
「振動する風景的画面」というタイトルは以前から度々松本の作品に付けられている。目や手で感じるものではない「風景」を抽象し、キャンバスに描出するために、作家の全霊が振動するのである。
本作は埼玉県立近代美術館による現代作家作品とコレクション作品を対峙させる企画展「桃源郷通行許可証」の出品作として本コレクションより貸出。展覧会では横山大観が終生その突出した才覚を讃えたとされる早世の日本画家菱田春草との組み合わせで展示された。