New Dawn Addiction
Year: 2019
Medium: acrylic, mixed media on canvas
Dimensions: 90.6 x 90.6 cm (35 3/4 x 35 3/4 in.) / diagonal: 128.5 x 128.5 cm (50 5/8 x 50 5/8 in.)
Acquired from Sotheby’s, 2022
松山の絵画モチーフとして最も人気を博す騎馬。騎馬を主題とした絵画といえば、フランス新古典主義の作家ダヴィッドの手による「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」などが思い浮かぶだろう。言わずもがな、この男々しく誇張された英雄像は、騎乗するその者の権力を示威するべく描かれたものだ。このように歴史的には、騎馬像とは支配者階級への称揚を意図して作られてきた。一方で松山の作品はそのような権威主義的な表現とは相反するといって良い。明るく、柔らかな色使いと造形、平面的にディフォルメされた馬の肢体や人物の柔和な表情。彼は力で何かをねじ伏せるべくして騎乗しているのではないだろう。多民族社会の最たる都市であるNYに拠点を置き、依然マイノリティの一員と見做されるアジア人種として多くの困難に直面しては乗り越えてきた松山にとって、力に屈服することなどなく、まして権力を称揚することなどもあり得ない。あえて騎馬像をモチーフとすることによって、その権力の象徴を解体してみせるのである。
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