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Standing straight
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Year: 2022
Medium: acrylic, aerosol on canvas
Dimensions: 145.5 x 112 cm (57 1/4 x 44 in.)
Acquired from Gallery TRAX, 2022
DIEGOのティピカルなモチーフである、スプレー菅を擬人化したキャラクター像が大きく描かれている。頭頂のスプレーのノズルからは霧散するべきはずのペイントが大きな雫のように垂れ下がっている。DIEGOの作品には都市の隙間で見向きもされないままの何かが描き出されている。そもそもグラフィティに使われるような壁面は、何かが描いてあるからこそ人の目にはつくものの、実際にはそこへ至る経路は障害物ばかりな上、危険な位置にあることが多い。彼らは、梯子を使い、柵を乗り越え、一気呵成にメッセージを残して立ち去っていくのだ。常に止まっていることがない。ストリートアートはモビリティの性質を持っている。NYでは、常に町を巡り続けている地下鉄の車両に不法に描いたのだ。本作も、文字を描いたとも思えない走り書きの記号のような形象、エアロゾルのスピード感のある着彩(筆致ではない)、フォームの定まったキャラクター造形など、常に足速なクリエイティブを要求される路上のリアリティを伝えている。