Untitled
Year: 2021
Medium: acrylic, spray paint, aluminum paint on cotton mounted on wood panel
Dimensions: 162 x 130 cm (63 3/4 x 51 1/8 in.)
Acquired from KOSAKU KANECHIKA, 2022
水色から濃紺へと降りていく極端な明暗のグラデーションを背景として、絵画の中心線を山脈のような隆起が水平に走り、上下を強く分断している。地殻が寄せ合って峰を成すように、おそらく画面上でも向かって上方と下方の両辺から中心に向かって段階的にシルバーの絵具を手繰り寄せていったのだろう。画面の強い起伏によって、作品にかかる照明が生み出す影はより深く、光もより激しく反射する。また、青木の他の作品でもよく見られる手法だが、隆起した絵具部分にはスプレーペイントで薄らと着彩が施されている。注意深く眺めると上方には明るいグリーンが、そして下方にはブルーが重ねられているのが視認できる。目が慣れるに従って、シルバーの強い反射に呑み込まれながらもその二色がしだいに浮かび上がってくる。光と影のコントラスト、色彩の明暗、そして上下に分断される大胆な構図。一枚の画面の中で青木の複層的な思考が重ね合わされている。
© UESHIMA MUSEUM COLLECTION
本サイトに掲載されているデータは著作権の保護の対象となります。無許可での転載・転用はご遠慮ください。 Any materials on this website are protected by the copyright law. No reproduction without permission allowed.