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Year: 2022
Medium: oil on linen, wood panel
Dimensions: 150 x 150 cm (59 x 59 in.)
Acquired from Void+, 2022
分厚い彫塑のごとき絵画をその代名詞的に捉えられている作家ではあるが、しかし、それだけではない。そして、本作も有名なスローガンを単に書き殴った看板というわけでもない。水戸部が絵を描くためには、油彩の塊を掴んで塗りつけることが他者の一筆と同義であるように、文字もまたキャンバスの上にあるからには書くのではなく描く対象であったはずだ。近くで見てみると、非常に荒い生地の上に力強く引かれた線によって文字が描かれているが、時折その輪郭を強調するように白色が黒文字に添えられている。その手つきは、単純な強調の意図でする装飾ではないように思われる。アルファベット一つ一つの形状を捉えて、絵画的に造形を補強しようと試みているように見える。作家は、ひいてはそれが文字の表すメッセージが、より強固に伝わるであろうことを理解している。文字を描いても水戸部は画家なのである。