Year: 2016
Medium: digital C-print
Dimensions: 121.9 x 101.6 cm (48 x 40 in.)
Acquired from nca | nichido contemporary art, 2022
タイトルにあるMASPはThe Museu de Arte de São Paulo(サンパウロ美術館)の略称で、本作は当美術館所蔵のゴッホによる1888年の絵画「小学生」をベースとしている。ゴッホはアルル時代に近隣に居住していたルーラン家の人々の肖像を多く残している。ゴーギャンとの共同生活が破綻して耳切り事件を起こした不安定なゴッホを見守ったのも彼らである。特に「郵便配達夫」のモデルとして知られるジョゼフ・ルーランは、人付き合いが極めて不得手なゴッホにとってモデルを頼める数少ない友人でもあった。本作はルーラン家の次男カミーユが描かれた一枚を題材とした「REPRO」(reproduction)のシリーズの一点である。このシリーズでムニーズは題材となる作品に関する書籍をはじめ、さまざまな媒体からイメージ素材を集めてコラージュしている。本作では特に古今東西の美術作品からポートレートのイメージが集められているようである。ディテールを探してみると思わぬ作品の断片が見付かるかもしれない。