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Perennial 03
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Year: 2019
Medium: acrylic on canvas
Dimensions: 194 x 162.2 cm (76 3/8 x 63 7/8 in.)
Acquired from Christie’s, 2022
本作は1994年から第一生命保険株式会社が主催しているVOCA展(上野の森美術館で毎年開催される)の受賞者を集めた記念展「TOKYO☆VOCA」(2020年3月~12月、第一生命ギャラリー)において展示された作品。大きく4分割された画面は窓の様に絵画の世界に向けて視線を誘う。しかし、その4つの視界にはまるで異なる景色が広がっている。自然と人との関わりへの関心が高い平子の作品には、自然物と人工物が混然としている。人が生きるために関わることで自然というものの認識は常に変化する。平子の作品において自然と人の関係性を象徴する人間と植物とのキメラが、本作においてはたくさんの観葉植物を背景にペットらしい猫を胸に抱いている。対角には壺や花瓶に活けた草花を前にくつろぐ様子も見られる。彼は自然に囲まれているようでいて、実は自然の借り物の中にしかいない。それとクロスする位置には彼の生活と対比するように、人と交わらない自然の姿が描かれている様に見える。「Perennial」とは多年草、あるいは永続的に繰り返される、という意味合いの言葉になる。人は自然から消費し、一方で愛し守ろうともする。人の世が続く限りにおいてそれは繰り返される。